講演会『オーストラリア社会とスポーツ』を聞いて

 8月5日(木)、福島大学で開催された野坂和則教授(運動生理
学 Edith Cowan University)の講演会にキッスのメンバー6人が
参加しました。
 西オーストラリアは豊かな州だと、昨年、佐藤虎男在パース日本
総領事が言われたとおり、拝見した写真の施設や人々の生活ぶりか
らその豊かさが感じられました。広大なオーストラリアならではの
スポーツ環境を羨ましく思いました。スポーツ人口の多さは、経済
的な背景だけでなく、文化や国民性によるところも大きいのでしょ
うか。我が国のスポーツ参加はまだまだ時間とお金のある人に限ら
れているように思います。特に地方では。
 野坂教授の研究報告の中で、低酸素の実験に興味を持ちました。
高地トレーニングで酸素摂取能力を高めたり、郡山の健康科学専門
学校校長、藤原孝之先生(カーティン工科大学健康科学部併任教授)
の講演で、高山病に罹った患者が一時的にアルツハイマーの症状を
呈していたのが、下山すると回復するメカニズムを解明すれば、ア
ルツハイマーの治療に役立つかもしれないと言われたことや、治療
の術がないと宣告された末期癌の患者が、アスクレルーム(気圧を
上げ下げする調圧室)に通って減圧治療で持ちこたえていることな
ど思い起こし、酸素や気圧が人体に影響を及ぼすことが漠然と理解
できたような気がしました。
 世界中を飛び回って研究されている先生のご活躍ぶりに、学生た
ちも大いに刺激になったものと思います。
 野坂教授は本日の便でご家族でパースに発ち、9月12日にはまた
日本に戻られる予定だそうです。私たちのパース滞在中に時間があ
れば、是非再会したいと思います。 
 9月9日〜14日、私たちは国際交流を目的に、11人でパースに滞
在します。国際結婚をしてオーストラリアで頑張っている若い母親
とその子どもたちを支援するために、沢山の皆様から寄贈して頂いた日本文化を
伝える着物や帯を持って出かけます。
 今年のメインは、9月12日(日)の「川内村産手打ち蕎麦で国際交
流」のイベント。宿舎で50人ほどの規模で、国際結婚の家庭の母親
や子どもたちがたくさん集まる予定です。
 多くの善意や熱い想いが実を結ぶことを祈っています。
                  8月10日   鈴木裕美