“The Big Kiss プロジェクト”パース訪問記 〜民間外交の楽しさ〜

<今回の渡豪の目的>
 国際結婚の家庭と子どもたちを応援するために、日本の文化を携えて、9月8日(水)〜9月15日(水)、西オーストラリア州の州都、パースを訪問しました。
 昨年、在パース日本国総領事館を訪問した時、佐藤虎男総領事から、「パースには手打ち蕎麦を食べさせる店がなく、日本人なら美味しい蕎麦は誰もが食べたい」と言われたので、本物のお蕎麦をパースの方々に味わっていただきたいと、プロの蕎麦職人はじめ11人が、昨年同様、善意で寄せられたたくさんの着物を持って渡豪し、現地の方々と交流してきました。
<現地の方々との交流>
 9月12日(日)ソロプチミスト横浜みらい・キッスプロジェクト・川内高原そばの三者共催で今回のツアーのメインイベントである「川内村産手打ち蕎麦で国際交流」を開催しました。集まったご厚意「着物・帯他」の贈呈式も行いました。参加者は、パース在住国際結婚の家族とキッスメンバー合わせて60人ほど。オープニングセレモニーとして、主催者挨拶、来賓挨拶、篠笛演奏、「着物・帯他」の贈呈式。着物の説明と希望者をモデルにした着付けも好評でした。
 次に蕎麦打ちパフォーマンスと体験。川内高原そば社長の新妻幸子さんの説明と店長の鈴木富士子さんの見事な蕎麦打ちは気迫に満ちていました。現地で調達した直径3cm、長さ120cmののし棒には木目があるのに、蕎麦はツルツル。丸くのした蕎麦が四角にたたまれ、なまはげが持っているような大きな蕎麦包丁で、物差しで測ったように同じ太さに次々切られていきました。蕎麦粉は渡豪直前に挽いてきました。現地の大人も子どもも、日本人もオーストラリア人も、みんなお腹一杯いただきました。普段は小食の子どもさんも、あまりの美味しさに、なんと手づかみでパクパク食べていました。美味しくお蕎麦を味わった後は、合唱や伝承遊び、砂遊びやブランコなどで、大人も子どもも一緒になって遊びました。翌日、オーストラリア事務局のストックトン亜紀子さんには、感謝の電話やメールがたくさん寄せられました。無償で人のために尽くす事の大切さを若い人達が気づくきっかけにもなったようです。
<在パース日本国総領事館表敬訪問>
  9月14日(火)、訪問団11人と亜紀子さん、郡山健康科学専門学校校長・カーティン工科大学大学院併任教授の藤原孝之教授の13人は、10時に在パース日本国総領事館を表敬訪問しました。
 和やかに会話がはずみ、私たちからキッスの活動報告、佐藤虎男総領事からオーストラリアの情勢、民間外交の意義、若者たちへの提言、そしてキッスの今後の活動へのアドバイスについてお話いただきました。大島織の豪華な帯を日本人学校に寄贈してほしいとお願いして2時間の訪問を終え、総領事館をあとにしました。いくつもの課題や目標をいただき、次につなげていく指標が見えてきました。走りながら考えてきた私たちが疲れないための秘訣も教えていただきました。
<民間外交の楽しさ>
 民間外交の楽しさは、自分の持ち味を生かしながら仲間と協力して、自分も満足感を得ることだと思います。お蕎麦や着物で喜んでいただいただけでなく、インド洋で泳ぐイルカの親子を眺め、パース市内を探訪し、フリーマントルノートルダムオーストラリア大学を視察し、太古の昔の「原生林」の痕跡・ピナクルズを見学したりと、そこに行かなければ体験できない見聞や感動も得られました。現地に住んでいらっしゃる工藤和泉さん、エディスコーワン大学の野坂和則教授にもお会いできました。今回、たくさんの応援者に支えられて渡豪し、自分のできることを自主的に行動し、みんなで喜びを共有し、オーストラリアの文化を少しずつ理解し始めたことは一歩前進したと思います。関わった方々との個性のふれあいも楽しかったです。
 来年度、また一歩前進するためにはどうしたらよいか、何ができるか考え、行動していきたいと思います。