交流事業は盛会のうちに終了しました【イギリスからの帰国報告その1】

キッスプロジェクトのメンバーは7月4日(金) から7月11日(金)まで6泊8日の日程でイギリスを訪問し、現地で交流事業を実施、参加しました。
(団長  鈴木裕美子、事務局 林 由美子、鈴木 賢司、野崎 修司)

福島の現状を、在ロンドン福島県人会「ロンドンしゃくなげ会」(満山喜郎会長)をはじめとする現地の皆さんにお伝えし、また、現地の学校も訪問してきました。その様子は新聞などでも報道されました。

 

また7月7日には地元の小学校「Parish Church Junior School」を訪問しました。
同校は、福島県郡山市立行徳小学校の児童54人と文通をして交流を深めています。

Parish Church Junior School の教頭先生と、鈴木裕美子団長
高屋敷稲荷神社の巫女舞いの映像を上映し、日本文化への理解を深めてもらいました(英訳もつけていただきました。DVD制作協力:国際アート&デザイン専門学校)
鈴木団長から寄付金と記念品を贈呈
メンバーの新妻学さんが扇子をプレゼント
授業風景
給食の試食
教頭先生を囲んで、訪問団で記念撮影


【学校訪問概要】
Parish Church Junior School学校訪問概要

1 訪問日時 7月7日 8:30〜12:40
2 参加者  鈴木裕美子(団長) 林由美子・野崎修司(事務局)
吉川三枝子 新妻学 菅野尚子
3 学校名  Parish Church Junior School
4 学校概要
英国国教会の学校
5〜16歳(義務教育年齢)の生徒約720名が学んでいる
福島県郡山市立行徳小学校の児童延べ54人と文通をしている

5 活動内容
(1)全体朝礼時に日本文化の紹介(参加生徒5年生〜6年生160人)
  ○ 高屋敷稲荷神社の英訳紹介文をParish Church Junior School教頭が朗読。
○ DVDによる、高屋敷稲荷神社と巫女舞いの紹介
(DVD制作協力 国際アート&デザイ専門学校)
○ 限られた時間(15分)の中で行われた。
○ PPで高屋敷稲荷神社を例に建物等の説明をおこなった後、DVDによる巫女舞を披露した。幻想的な映像と音楽に生徒達は引き込まれるように見ていた。
(2)授業参観
○ 5年生〜6年生160人中2クラス(1クラス30人)の授業参観をした。
○ 教師の他に、アシスタントティーチャー1名が各クラスに配属されており、指導の必要な生徒に適宜関わっていた。学級が多言語集団である実態から必要性が感じられた。教師の講話や事象提示をもとに授業が展開されており、日本の教育とさほど違ってはいない。
○ 違いは、日本は基本的に対面式であるのに対し、グループ形式で授業が展開されていたことである。グループ内での話し合いを大切にしていることが伺えた。
○ 授業内容は、1クラスは、途上国の衛生問題を教材にトイレの必要性を認識させた上で、途上国にトイレを寄贈するという問題を解決させる内容で授業が進められていた。別のクラスでは、ワークシートを活用し、様々な四角形を生徒自身が見出す形の授業であった。作った四角形に名前を付けたり、色鉛筆で色を染めたりと、自由に活動をしていたが、まとめをしない授業であった。両授業とも、子どもの考えを認めることを大切にした授業と感じた。
○ 黙読の時間にも参加させていただいたが、生徒が好きな本を自宅から持参し30分黙読を行っていた。英語に慣れさせるための時間のようで、音読をしても迷惑にならなければ認めていた。どんな本を持ってきても認めており、能力や興味に応じて自由に読書をさせようとしていることが伺えた。
(3)教頭先生との意見交換
○ 学校課題や教育事情や学校経営などについて意見交換を行った。
○ 見えてきたことは、イギリスの現状である。日本のようにほぼ単一民族で成り立っているのとは異なり、イギリスは移民を大量に受け入れ、多民族国家となっていることである。学校の子ども達を見ると約40カ国語という多言語環境となっている。その中で、英語を柱として子ども達の教育に当たっている苦労が垣間見られた。その他、貧困から来る問題、差別の問題、他宗教との整合性等々について意見を交換した。
○ 予定時間を大幅にオーバーしての懇談となった。
(4)給食の試食
○ 給食を食べる子とお弁当持参の子がおり、自由選択とし、家庭の実態に応じて選択できるようになっている。
○ 給食試食を行ったが、栄養バランスを考えた食事であった。自校給食なので、温かいものを温かくが可能となっていた。一食500円程度で日本より高いと感じた。補助金がないためと思われる。
(5)その他
○ 「子ども達の健やかな成長」が基本理念であるKISSの活動は、日本人学校を中心とした、各国の学校訪問は使命でもある。
○ 校長が急に欠席の中、教頭対応での学校参観となったが、とてもフレンドリーな雰囲気の中で活動を行う事ができた。なお、KISSからは、寄付金50ポンド、日本文化を紹介する漆塗りや扇子等を贈呈した。ささやかではあるが、日本との絆となることを願っている。