ベトナムの子どもたちを激励、交流してきました〜訪問団帰国報告

私たち「子どもの笑顔 The Big K.I.S.S.プロジェクト」の有志8名は、菅野良二氏を団長として、ハノイ市のイエンバイA小学校、国際交流基金ベトナム日本文化交流センター、ハノイ国家大学、ベトナム女性博物館などを訪れ、11日に帰国しました。


まずは、1999年にユネスコを通して「シェア・ラブ・チャリティーの会」(菅野良二氏代表=今回の訪問団長)が建設したイエンバイA小学校を訪問しました。
現在、児童数434名,教師とその他スタッフ34名を合わせて、全員で468名。

【イエンバイA小学校正門にて】


当初の教室はなく、新しい校舎の会議室には、ホー・チ・ミン氏の黄金の胸像が飾られていました。(ハノイ市内にはホー・チ・ミン廟があります。)
寄贈した日本の絵本など約20冊は、新設された図書館の「FUKUSHIMA BUNKO」のコーナーに並べられました。
また、福島市庭坂小学校の児童が描いた絵もお届けしました。


翌日、テイム Them 校長先生から、イエンバイA小学校の児童が描いた絵が私たちのもとに届けられました。
一昨年バリツアーの時にお世話になった「まいあめ工房」さまから贈られたカラフルな金太郎飴に、子どもたちの沢山の笑顔が溢れました。
子どもたちのきらきらした瞳は、ベトナムの未来が明るいことを象徴していました。

【イエンバイA小学校の児童に金太郎飴を贈呈】


2006年3月、「シェア・ラブ・チャリティーの会」は、イエンバイA小学校の4年生と5年生計8名、ティム校長先生、ベトナムユネスコの職員合わせて10名を福島へ招待しました。
その時には、庭坂小学校、福島第三小学校と交流し、子どもたちに初めての雪遊びを体験させることができました。当時小学生だった子こどもたちは、今は高校生。


次いで訪れた国際交流基金日本文化交流センターでは、稲見和己所長からお話を伺い、交流会場へ。
日本語教師の古閑紘子先生の緻密で絶妙な司会で、充実した交流会となりました。



国際交流基金交流会】

スライドで福島県の紹介の後、震災の犠牲者に対して黙祷を捧げました。
地震のない国の人たちに、日本はどのように理解されたのでしょうか。
福島から、震災にも負けない心意気を託した起き上がり小法師や、
震災を忘れないためにプロジェクトが制作にかかわった絵本『はしるってなに』(詩・和合亮一/絵・きむらゆういち)、
福島市の会社が企画開発したオリジナルの木製のひらがな入り動物パズル、「まいあめ工房」さまから贈られた金太郎飴等を贈呈してきました。
文化交流では、吉川文雄氏による尺八の演奏と日本の歌を披露があり、
受講生からは『ベトナムへようこそ』という明るい歌をプレゼントされ、その歌詞に感動しました。


ベトナムの歌『ベトナムへようこそ』をプレゼントされる】




福島の美味しい物は?観光地は?震災の影 響は?などの質問を受けた後、夕食をとりながら日本語で交流しました。
日本語を学ばれているだけに、受講生のみなさんが福島に関心を寄せられていることが伝わってきました。
福島大学のパンフレットを持参したので、ハノイ国家大学やハノイ貿易大学の学生さんたちから、福島に留学する方法について熱心に質問されました。

日本語教師の佐々木馨先生は、福島大学の卒業生で、お茶の水女子大学の博士課程に在籍し、休学して国際交流基金から派遣されています。
ベトナム人の先生と、通訳のトゥ チャンTHU TRANGさんを紹介してくれた、現在福島大学に留学しているハノイ大学の学生は、同名のニュン Nhung さん。
国際交流基金日本文化交流センターは、日本とベトナムの架け橋となる着実な活動をしていました。

福島大学の姉妹校であるハノイ国家大学では、副学部長のテュエン Tuyen 先生にお会いし、福島大学のパンフレットをお渡ししました。
留学の方法について、さらに詳しい情報を送ってほしいとおっしゃられました。



ベトナムの歌『ベトナムへようこそ』歌詞】

ベトナム女性博物館では資料や写真が展示され、ベトナム女性が果たした役割を紹介していました。
女性も男性と同等に闘ってきたんだと、衝撃を受け、建国期の女性たちのたくましさを感じました。
日本も敗戦や震災の憂き目をみましたが、ベトナムも苦難の途を辿ったことを実感しました。
21世紀は力関係でなく、共に協力していく平和な世界になってほしいと願っています。

ベトナム国内では、ホーチミン市福島県人会があります。
ハノイ市にも県人会を結成してほしいと、ワールド福島県人会会長・ロンドンしゃくなげ会会長の満山喜郎氏から紹介された
郡山市出身の本名徹次氏(ベトナム国交響楽団音楽監督兼首席指揮者、郡山市出身)と会食した。


本名氏は、2012年、ベトナム文化・スポーツ・観光省より、文化功労賞を授与されています。
ベトナム伝統芸能、水上人形劇はストーリーが分かり易く、竜が火や水を吐いたり、『レロイ王、ホアンキエム湖の伝説』で、
大亀に剣を返す場面などが印象的でしたが、仕掛けが全く分かりませんでした。
最後に人形を操るパフォーマーが挨拶した時、人形と人間の大きさのギャップに戸惑いました。


この一週間の滞在で、ベトナムの治安の良さ、ベトナム人の勤勉さ・粘り強さ、フランス文化との見事な調和などを感じました。
訪問した先々で大歓迎され、日本や福島に関心を寄せられていることが伝わってきました。
小学生たちのきらきらした目、高校生、大学生たちの旺盛な好奇心や謙虚さは、ベトナムの未来が明るいことを象徴していました。
道路はバイクにあふれ、家屋は入口が狭く、最上階は夕涼みできるフロアになっています。
三月上旬に手で植える田植えの風景が見られ、牛が堂々と道路 を闊歩していました。

人口は増加して若者が多く、経済発展が見込まれているベトナムは、活気で満ち溢れていました。

今回、このように実り多い交流ができましたことを、改めて関係各位に御礼申し上げ、報告といたします。
                                               2015年3月23日  K.I.S.S主催 ベトナム国際交流 参加者一同

(訪問の模様は3月23日の福島民報で報道されました)